特許トレンド最前線!未来を創る技術のタネを見つけよう (記事2/2) ~バイオ・環境エネルギー編~

特許と経済・トレンド分析

こんにちは。Hanaoです!

前回の記事 「特許トレンド最前線!未来を創る技術のタネを見つけよう (記事1/2) ~AI・IoT編~」 では、AIとIoT分野の最新特許トレンドを追いかけました。未来を形作る技術の熱気を感じていただけたでしょうか?

さて今回は、その後編! 私たちの生活や地球の未来に深く関わる「バイオテクノロジー」「環境・エネルギー技術」の特許トレンドを深掘りします。さらに、世界の国々の特許戦略や、特許情報から未来を予測するヒント、そして特許分析のちょっとした「裏話」までお届けしますよ!

4. 【バイオテクノロジー編】命と健康の未来を描く!バイオ特許の今

まずは、医療や食料問題の解決に貢献するバイオテクノロジー分野です。

  • バイオ特許、最近どう?
    • 国によって特許出願の動向に違いが見られます。例えば、AI技術をバイオ分野に応用する「バイオインフォマティクス」では、中国や韓国が出願を伸ばす一方、他の国ではやや停滞気味の時期もありました。
    • それでも、新しい治療法や医薬品開発に向けた研究は世界中で活発に行われています。
  • 注目のバイオ技術と特許 バイオ分野で特に注目されている技術と、その特許の動きを見てみましょう。
    • mRNA医薬:コロナ禍で脚光!新しい薬の形 新型コロナウイルスのワクチンで一躍有名になったmRNA技術。実は、がん治療薬や希少疾患の治療薬など、様々な病気への応用が期待されています。特許出願も、Moderna社やBioNTech社といった海外企業がリードする形で活発です。日本企業も、薬を効率よく患部に届けるDDSキャリア技術などで健闘しています。 (日本はmRNA医薬の周辺技術で面白い特許も出ています!)
    • 遺伝子編集:生命の設計図を書き換える技術 「CRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)」などの遺伝子編集技術は、病気の治療や農作物の品種改良などに革命をもたらすと期待されています。倫理的な課題も議論されつつ、関連特許は増加傾向にあります。
    • バイオインフォマティクス:IT×バイオで新発見 膨大な生命情報をコンピュータで解析し、新しい薬の候補を見つけたり、病気の原因を特定したりする技術です。AI(人工知能)の活用も進んでおり、今後の成長が期待される分野です。

5. 【環境・エネルギー編】地球の未来を守る!環境技術の特許トレンド

次に、地球温暖化対策や持続可能な社会の実現に欠かせない環境・エネルギー技術です。

  • 脱炭素社会への挑戦!特許に見る世界の動き 世界各国が「2050年カーボンニュートラル」といった目標を掲げる中、関連技術の特許出願も活発化しています。特に、再生可能エネルギーや省エネ技術、CO2排出削減に関するものが中心です。
  • 注目の環境技術と特許
    • 再生可能エネルギー:太陽光だけじゃない!次世代エネルギーは? 太陽光発電や風力発電はもちろん、地熱発電、バイオマス発電など、多様な再生可能エネルギー技術の研究開発が進んでいます。
      • 注目株!ペロブスカイト太陽電池: 軽くて曲げられる、塗って作れるといった特徴を持つ次世代の太陽電池です。建物の壁や窓、さらには衣服など、これまで設置が難しかった場所への応用が期待されています。特許出願では中国が急増していますが、日本も材料技術などで強みを持っています。 (特許庁の調査レポートによると、日本はペロブスカイト太陽電池の特定の技術分野で世界をリードしているそうです!)
    • 水素・アンモニア:燃やしてもCO2が出ない?究極のクリーンエネルギー 水素やアンモニアは、燃焼時にCO2を排出しないため、次世代のクリーンエネルギーとして期待されています。製造方法や運搬・貯蔵、利用方法(燃料電池や直接燃焼など)に関する特許出願が増加傾向にあります。日本は特に燃料電池関連の特許で世界をリードする企業が多いのが特徴です。
    • CO2回収技術:出したCO2を捕まえる! 工場などから排出されるCO2を回収・貯留したり、有効活用したりする「CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)」技術も重要です。まだコスト面などの課題もありますが、脱炭素化の切り札の一つとして特許開発が進められています。

6. 世界の特許勢力図!国別の戦略とトレンド

技術トレンドを語る上で、国ごとの特許戦略も見逃せません。

(上記はHanaoの調査に基づくイメージです)

7. 特許情報から未来を予測!次にくる技術は?

特許の出願状況を見ていると、これから伸びそうな技術やサービスが見えてきます。

  • 分野横断で生まれる新技術 例えば、「AI × バイオテクノロジー」で新しい薬が効率的に開発されたり、「IoT × 環境技術」でよりスマートなエネルギー管理が実現したりと、異なる技術分野が融合することで、これまでにないイノベーションが生まれる可能性があります。こうした分野融合型の特許は、未来の大きなトレンドになるかもしれません。
  • 国際機関WIPOのレポートからヒントを探る WIPO(世界知的所有権機関)なども、定期的に技術トレンドに関するレポートを発行しています。過去にはAIや交通の未来、最近では環境技術やアグリテック(農業技術)などがテーマになっており、グローバルな視点でのトレンド予測に役立ちます。

8. 特許分析の「ここだけの話」限界と注意点

ここまで特許情報の面白さをお伝えしてきましたが、実は特許分析にも限界や注意点があります。

  • 特許だけでは見えないもの
    • 企業秘密・ノウハウ: 全ての技術が特許として公開されるわけではありません。企業が競争力の源泉としてあえて秘密にする技術(例えばコカ・コーラの原液レシピ!)もあります。
    • タイムラグ: 特許が出願されてから公開されるまでには、通常1年半ほどの時間がかかります。つまり、最新鋭の技術トレンドがリアルタイムに反映されているわけではありません。
  • 「量」だけでなく「質」も大事 特許の件数が多いからといって、その技術が必ずしも優れているとは限りません。本当に価値のある特許(権利範囲が広く、他社が真似しにくいものなど)を見極める「質」の分析も重要です。
  • 解釈の多様性 特許情報をどう読み解き、どう評価するかは、分析する人の視点や目的によって変わってくることもあります。

だからこそ、特許情報だけでなく、論文や市場レポート、ニュースなど、他の情報も組み合わせて多角的に見ることが、より正確なトレンド把握には大切なんですね。

まとめ

2回にわたって、特許情報から読み解く世の中のトレンドについて見てきました。 AI、IoT、バイオ、環境・エネルギーといった注目分野の特許動向から、技術開発の熱気や未来の可能性を感じていただけたなら嬉しいです。

特許は、まさに現代の「知恵の結晶」。これからも、このブログでは特許という窓から、経済や社会の「イマとミライ」を覗いていきたいと思います。

なんでもよいので、気づいたことはお気軽にコメントください。ではまた!

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