特許情報の泉を探せ!【第1部】公的機関と基本データベース活用術 ~知財の世界への第一歩~

知的財産の基礎知識

こんにちは。Hanaoです!

この記事では、特許情報の世界に足を踏み入れたいけれど、どこから見ればいいの?というあなたのために、信頼できる情報源をシリーズでご紹介していきます。 第1部では、まず押さえておきたい「公的機関」と、誰でも無料で使える「基本データベース」をピックアップしました。 この記事を読めば、あなたも特許情報活用の第一歩を踏み出せるはずです!

なぜ特許情報が面白いの?

本格的な情報源の話に入る前に、少しだけ「なぜ特許情報が重要で面白いのか」についてお話しさせてください。

  • 企業の戦略が見える: どんな技術に力を入れているか、将来どんな事業を考えているかなど、企業の「隠れた戦略」が特許情報から透けて見えることがあります。ライバル企業の動きを探るのにも役立ちます。
  • 未来の技術トレンドがわかる: 今まさに開発が進んでいる最新技術や、これから注目される分野の情報をいち早くキャッチできます。新しいビジネスチャンスの発見にも繋がるかもしれません。
  • 自分のアイデアを守るヒントになる: もしあなたが何か新しいアイデアを思いついたら、それがすでに誰かに出願されていないか、特許情報を調べることは非常に重要です。また、他社の特許を参考に、自分のアイデアをどう権利化していくかのヒントも得られます。

ね、なんだかワクワクしてきませんか? では、さっそく具体的な情報源を見ていきましょう!

信頼度No.1!「公的機関」の情報源

特許に関する最も基本的で信頼できる情報は、やはり各国の特許庁などの「公的機関」から発信されています。まずはここを押さえるのが王道です。

日本の特許庁(JPO)

日本の特許、実用新案、意匠、商標を管轄しているのが特許庁(Japan Patent Office, JPO)です。 JPOのウェブサイトは、まさに日本の知的財産制度の入り口と言えるでしょう。

世界知的所有権機関(WIPO)

国際的な知的財産権の保護を促進する国連の専門機関が、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization, WIPO)です。 グローバルな視点で特許情報を捉えたい場合に非常に役立ちます。

  • グローバルな視点を持つなら
    • 国際的な特許制度(PCT制度など)の解説
    • 各国の知的財産法制に関する情報データベース(WIPO Lex)
    • 国際的な統計データやレポート
  • WIPOウェブサイトの見どころ

これらの公的機関のサイトは情報量が豊富なので、最初はどこを見ればよいか迷うかもしれません。 まずは興味のあるキーワードでサイト内検索をしてみたり、初心者向けガイドのページから読み進めてみるのがおすすめです。

【表1】主な公的機関とその役割

特許を探そう!初心者向け「無料データベース」徹底比較

公的機関の役割がわかったところで、いよいよ具体的に特許文献を探すための「データベース」を見ていきましょう。 幸いなことに、初心者でも無料で使える非常に強力なデータベースがたくさんあります!

J-PlatPat(ジェイプラットパット):日本特許の宝庫

日本の特許情報を調べるなら、まずはJPOが提供する「特許情報プラットフォーム (J-PlatPat)」です。

  • 特徴
    • 日本の特許、実用新案、意匠、商標の公報や審査状況などを網羅的に検索可能。
    • 日本語での検索が基本なので、日本人にとっては一番使いやすいデータベースです。
    • 初心者向けの簡単な検索から、特許分類を使った詳細な検索まで対応。
  • 使い方ポイント
    • まずは「特許・実用新案検索」でキーワード検索から試してみましょう。
    • 文献番号が分かっている場合は「特許・実用新案番号照会」が便利です。
    • 審査書類や経過情報を確認することで、その特許がどのような経緯で権利化されたか(あるいは拒絶されたか)が分かります。

Espacenet(エスパースネット):欧州中心、でも世界もカバー

欧州特許庁(EPO)が提供する無料の特許検索データベースが「Espacenet」です。

  • 特徴
    • 欧州特許はもちろん、世界100カ国以上の特許文献を検索可能。非常に広範囲をカバーしています。
    • 多言語対応しており、日本語インターフェースも利用可能です(検索キーワードは英語が推奨される場合もあります)。
    • 引用文献や被引用文献をたどることで、関連技術の広がりを把握しやすいです。
  • 使い方ポイント
    • 「スマート検索」でキーワードや発明者名、出願人名などを入れて検索してみましょう。
    • 機械翻訳機能もあるので、外国語の文献の概要を掴むのに役立ちます。

PATENTSCOPE(パテントスコープ):WIPO提供、国際出願ならコレ

WIPOが提供するデータベースが「PATENTSCOPE」です。

  • 特徴
    • PCT国際出願(世界各国にまとめて出願できる制度)の情報を中心に、各国の国内特許文献も多数収録。
    • WIPOが開発したAI翻訳ツール「WIPO Translate」が組み込まれており、高い精度の機械翻訳が利用できます。
    • 化学構造式検索や配列検索など、専門的な検索機能も充実。
  • 使い方ポイント
    • 「簡易検索」からキーワードで検索してみましょう。日本語での検索も可能です。
    • 関心のある企業の国際出願戦略を調べるのにも適しています。

Google Patents(グーグルパテント):検索エンジン感覚で使える

おなじみGoogleが提供する特許検索サービスが「Google Patents」です。

  • 特徴
    • Googleの強力な検索アルゴリズムを活かした、直感的で使いやすいインターフェースが魅力。
    • 世界中の特許文献を網羅的に検索できます。
    • 検索結果から関連する学術文献(Google Scholar)へのリンクがあるなど、Googleの他サービスとの連携も便利。
  • 使い方ポイント
    • 普段のウェブ検索と同じ感覚で、キーワードを入力して検索できます。
    • 「〜の特許」といった自然文に近い検索でもヒットしやすいです。
    • 機械翻訳機能ももちろん搭載。

これらの無料データベースは、それぞれに強みや特徴があります。 目的に応じて使い分けたり、同じテーマでも複数のデータベースで検索してみることで、より網羅的な情報収集が可能になりますよ。

【表2】無料特許データベース比較

J-PlatPat, Espacenet, PATENTSCOP, Google Patents

※日本語対応:◎は検索キーワードも日本語でOK、〇はインターフェースが日本語対応(検索は英語推奨の場合あり)

第1部のまとめと、次回予告!

さて、【第1部】では、特許情報の基本となる公的機関の情報源と、誰でも無料で使える主要な特許データベースをご紹介しました。 これらの情報源を活用するだけでも、特許情報の世界の奥深さや面白さを感じていただけるのではないかと思います。

まずは、ご自身の興味のある企業名や技術分野のキーワードで、これらのデータベースを実際に触ってみてください。きっと新しい発見があるはずです!

とはいえ、特許情報の世界はまだまだ広大です。 【第2部】では、さらに専門的なデータベース、特許訴訟や法律に関する情報源、そして最新の業界動向をキャッチするためのニュースサイトや専門家の情報など、より深く特許情報を掘り下げていくための情報源をご紹介する予定です。どうぞお楽しみに!

なんでもよいので、気づいたことはお気軽にコメントください。ではまた!

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