こんにちは。Hanaoです!
「特許」ってお堅いイメージがありますよね。でも実は、特許って私たちの未来の暮らしや経済の方向性を示す、とっても興味深い「羅針盤」のようなものなんです。
企業や研究者がどんな技術に力を入れているか、つまり「これから何が来るか!?」が、特許の出願状況から見えてきます。
最近、日本の特許出願全体としては、少し元気を取り戻してきていて、2023年には4年ぶりに出願件数が30万件を超えたというニュースもありました。これは、日本の技術開発がまだまだ活発だという証拠かもしれませんね。
では、具体的にどんな分野で新しい技術(=特許)がたくさん生まれているのでしょうか?そして、逆に少し落ち着いてきている分野はあるのでしょうか?
今回は、日本の特許出願の最新トレンドを分かりやすく解き明かし、「知財や経済のことは全く知らない、けど興味はある!」というあなたと一緒に、未来を動かすかもしれない注目技術を探っていきたいと思います!
未来の鍵を握る!日本で特許出願が増えている注目分野とは?
まずは、今まさに日本で「グイグイ伸びてる!」、つまり特許出願が増えている注目の技術分野を見ていきましょう。これらは、私たちの未来の生活を豊かにしたり、社会の大きな課題を解決したりする可能性を秘めた技術たちです。
1. GX(グリーン・トランスフォーメーション)関連技術
- これって何? 地球温暖化対策は待ったなし!GXとは、環境に優しいエネルギーを使ったり、CO2排出を減らしたりする技術で、社会全体を「グリーン」に変えていこうという大きな動きのことです。
- なぜ伸びてるの? 世界中で「2050年カーボンニュートラル」といった目標が掲げられ、日本も本腰を入れています。太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー、電気自動車(EV)に使われる高性能バッテリー、省エネ技術など、新しい技術開発が活発なんです。
- 例えばどんな特許?
- ペラペラで曲がる次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」
- より安全でパワフルな「全固体電池」
- CO2を資源として再利用する「カーボンリサイクル技術」
- 水素やアンモニアをエネルギーとして使う技術

2. DX(デジタル・トランスフォーメーション)関連技術
- これって何? AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、メタバースといったデジタル技術を使って、私たちの生活やビジネスをより便利で豊かに変革していくことです。
- なぜ伸びてるの? 今やスマホなしの生活は考えられないように、デジタル技術は社会の隅々に浸透しています。特にAIの進化は目覚ましく、あらゆる分野での活用が期待されています。人手不足の解消や新しいサービスの創出にも繋がっています。
- 例えばどんな特許?
- AIが自動で文章や画像を作る「生成AI」関連技術
- 現実世界そっくりの仮想空間「メタバース」で使う技術
- 工場の機械や家電がネットに繋がる「IoTシステム」
- 膨大なデータを解析して未来を予測する技術
3. ライフサイエンス・ヘルスケア関連技術
- これって何? 病気の予防や治療、健康寿命を延ばすための技術です。医療、医薬品、バイオテクノロジーなどが含まれます。
- なぜ伸びてるの? 日本は世界でもトップクラスの長寿国。誰もが健康で長生きしたいと願っていますよね。新しい治療法や画期的な薬の開発、個別化医療(一人ひとりに合わせた治療)への期待が高まっています。
- 例えばどんな特許?
- 新型コロナワクチンで注目された「mRNA医薬」
- iPS細胞などを使った「再生医療」
- AIが病気の早期発見を助ける「診断支援システム」
- 遺伝子レベルで病気を治療する「遺伝子治療」
- お肉じゃないけどお肉の味?「培養肉」などの代替食品技術
4. 半導体関連技術
- これって何? スマホやパソコン、自動車、家電など、あらゆる電子機器に欠かせない「頭脳」や「神経」のような部品です。
- なぜ伸びてるの? AIやIoT、自動運転といった技術が進化すればするほど、より高性能・高機能な半導体が必要になります。経済安全保障の観点からも、半導体技術の国内開発・生産が重要視されています。
- 例えばどんな特許?
- より小さく、より速く、より省エネな半導体を作るための「微細化技術」
- 電気自動車や再生可能エネルギー機器の効率を上げる「パワー半導体」
- 新しい材料を使った次世代半導体
- 半導体を重ねて性能を上げる「3D実装技術」
5. 次世代モビリティ・輸送関連技術
- これって何? 自動運転車、空飛ぶクルマ、ドローンなど、未来の移動や輸送を担う新しい技術のことです。
- なぜ伸びてるの? より安全で、より効率的で、環境にも優しい移動手段が求められています。物流業界の人手不足解消や、新しい移動サービスの創出も期待されています。
- 例えばどんな特許?
- 「完全自動運転」に向けたセンサー技術やAI制御システム
- 荷物を運んだり、農薬をまいたりする「ドローン」の活用技術
- 倉庫や工場で荷物を自動で運ぶ「無人搬送車(AGV)」
- 複数の交通手段を最適に組み合わせる「MaaS(Mobility as a Service)」関連技術
これらの分野は、まさに日本の未来を形作る上で欠かせない技術と言えるでしょう。特許という形で、たくさんのアイデアや工夫が日々生まれているんですね。
時代は変わる?特許出願に変化が見られる分野
一方で、すべての技術分野で特許出願が右肩上がりというわけではありません。中には、技術が成熟したり、新しい技術に主役が移り変わったりすることで、出願件数が落ち着いてきたり、少し減ってきたりする分野もあります。
WIPO(世界知的所有権機関)の国際的な特許出願のデータなどを見ると、例えば以下のような分野で変化の兆しが見られることがあります。
- 計測技術(従来型)
- どんな技術? 長さや重さ、温度などを測るための基本的な技術です。
- 変化の背景は? 一部の技術はすでに完成度が高く、新しい発明が出にくくなっている可能性があります。また、最近ではAIを使ってより高度な分析をするなど、周辺技術と融合した形での進化が進んでいるため、従来の「計測」という枠組みでの出願は落ち着いてきているのかもしれません。
- 音響・映像技術(従来型)
- どんな技術? CDやDVD、従来のテレビ放送に関連するような技術です。
- 変化の背景は? 音楽や動画のストリーミングサービスが当たり前になり、基本的な記録・再生技術は成熟期にあります。ただし、先ほど紹介した「メタバース時代の音声・音楽処理」のように、立体音響やAIによるコンテンツ生成といった新しい分野では、活発な特許出願が見られます。技術の主戦場がシフトしているんですね。
- 医療技術(一部の従来型または成熟分野)
- どんな技術? 特定の従来型の医療機器や治療法など。
- 変化の背景は? ライフサイエンス分野全体としては成長していますが、その中でも技術の世代交代が進んでいます。例えば、より低侵襲な(体に負担の少ない)新しい手術法や診断技術が登場すると、従来の技術に関する特許出願は落ち着いてくることがあります。
これらの分野が「ダメになった」というわけでは決してありません。むしろ、技術が成熟し、私たちの生活に深く浸透した証とも言えます。そして、多くの場合、これらの基盤技術の上に、新しいアイデアや異なる分野の技術が組み合わさることで、次のイノベーションが生まれてくるのです。
ここまで見てきたように、日本の特許出願のトレンドからは、社会がどんな未来を目指しているのか、どんな課題を解決しようとしているのかが透けて見えてきます。
GX(環境)、DX(デジタル)、ライフサイエンス(健康・医療)、半導体(基盤技術)、そして次世代モビリティ(移動・輸送)。これらの分野での活発な技術開発は、まさに日本の未来を形作る重要な柱と言えるでしょう。
もちろん、今回紹介できたのはほんの一部です。特許の世界はもっともっと奥深く、面白い発見がたくさんあります。
皆さんの身の回りにある製品やサービスも、もしかしたらたくさんの特許技術に支えられているかもしれません。そんな視点で見てみると、日常が少し違って見えるかもしれませんね。ちょっとでも特許に興味を持っていただけたら幸いです!
知財や経済のトレンドは、私たちの未来を考える上で大切なヒントを与えてくれます。これからも、そんな「未来の羅針盤」を一緒に読み解いていきましょう!
なんでもよいので、気づいたことはお気軽にコメントください。ではまた!
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